日本の教育制度と教育実践
ENGLISH TOP PAGE
1 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施


ダウンロード
2 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施 3
4  学校は、それぞれに教育理念や目標を設定している。教育課程は、学校教育の目的・目標を達成するための具体的な教育内容を、その取り扱いの仕方(教科学習か教科外活動か、必修か選択か、教材は何か、授業時数、指導形態)との関連から総合的に組織した、学校における教育内容の計画のすべてのことである。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  日本では、国が定める教育課程の基準である「学習指導要領」にもとづき、都道府県や市町村の教育委員会が定める教育課程の地方基準が定められ、各学校の教育課程は「指導計画」として具体的に計画されている。各学校では、年度の初めに全体的な計画としての「年間指導計画」が作成される。それにもとづき、①学年・領域・教科の指導計画 ②学期の指導計画 ③月の指導計画 ④週の指導計画・単元の指導計画 ⑤一日の指導計画 ⑥本時の指導計画 と、段階的に具体的な「指導計画」が作成されている。それらは、実際の授業を通して、評価され、全体的な計画の見直しが図られている。 資料)山口満・宮崎州弘編『教育課程・方法』日本教育図書センター、1989年、19頁 5
 「教育目的」は「どのような人間を育てようとしているのか」の理念であり、その目的実現のために教えられるべき「教育内容」が決まる。その内容を学校教育において、「何を教えるか」という具体的な学習者を想定した内容としたものが「教育課程」であり、「いかに教えるか」という「教育方法」とも密接な関わりを持っている。日本の学校の「教育課程」は、「各教科」と「教科外」の二つの領域より成り立っている。例えば、小学校では、「各教科」には「国語」 「社会」 「算数」「理科」「生活」「音楽」「図画工作」「家庭」「体育」の9教科があり、「教科外」の領域には「道徳」「特別活動」「総 合的な学習の時間」がある。  写真は、ある中学校の「指導計画表」の一例である。この一覧表によって、各教科の一年間の指導の見通しが立ち、実践後の見直しも計画的に行うことができる。
6  「カリキュラム開発」とは、学校のカリキュラムを社会の変化等において常に評価し、改善していく活動のことである。学校・地域社会・国の様々なレベルのものが含まれる。日本では、現在、学習指導要領の大綱化とともに、 OECDのCERI(Centre for Educational Research and Innovation )の 「SBCD(School-based Curriculum Development)」の構想以来、 各学校の創意工夫に基づいた各学校独自のカリキュラム開発がすすめられつつ ある。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  「カリキュラム開発の過程」の段階的手続きを示したのが、上図である。その過程には、①教育目標の設定 ②学習経験の選択 ③内容の選択 ④学習経験と内容の組織化 ⑤評価 ⑥改善 という一連の手続きが必要である。こうした実証的な手続きにより、現在も、各学校のカリキュラム開発が行われている。 7
 カリキュラム開発とは、計画されたカリキュラムが、教授・指導を通して実施され、その結果が評価されることによって、カリキュラムの改善が図られるという一連の動的なプロセスを特徴とする。「授業」はカリキュラム開発における実践形態の一つであって、「授業改善の過程」のまとまりが、カリキュラム開発の中に位置づけられて いることが重要である。  平成14年度の文部科学省の「研究開発学校」のテーマの一例である。日本では、各学校における創造的で実践的なカリキュラム開発の重要性が強調され、国や地方レベルでさまざまな「研究開発学校」等において独自の新しいカリキュラム開発研究が進められている。
→表: http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/
kenkyu/htm/02_resch/02_right.htm
8  学校の教育目標は、各学校の教育理念であり、学校の全教育活動を通して達成される人間像が示されたものである。学校の教育目標は、①学校目標 ②学年目標 ③学級目標 ④児童・生徒の個別目標 と、段階的に具体化される。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  上記は、ある小学校の「学校の教育目標」の例である。学校の教育目標は、学校全体の「学校目標」、「学年目標」、「学級目標」へと具体的な教育活動目標として示されている様子がわかる。 9
 日本では、日本国憲法や教育基本法により、教育目的が定められ、それをふまえて教育委員会の教育目標や学校の教育目標が決められている。学校の教育目標は各学校の教育理念を示すもので、学校におけるさまざまな教育活動は、その目標を達成することを目的として行われている。  写真は、ある小学校の学校の教育目標の「学級目標」の掲示例である。学級には、さまざまな掲示物がある。その中で「学級目標」は、一年間学級全体の子どもたちが目指す教育目標であり、毎日、児童が目にする場所に掲示されている。「学級目標」は、毎日の教育活動の中で、子どもたちひとりひとりが自らの活動を振り返り、反省を促す役目を果た している。
10  日本では、国が定める教育課程の基準である「学習指導要領」があり、ほぼ10年おきに改訂がなされている。現在の学習指導要領は、小学校学習指導要領、中学校学習指導要領、幼稚園教育要領は、1998年12月14日に告示され、小学校、中学校では、2002年4月1日から施行されている。また、高等学校 学習指導要領、盲・聾・養護学校の学習指導要領は、 1999年3月29日に告示された。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  小学校では1単位時間を45分としている。特別活動の時数は小学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く)に充てるものとなっている。(子どもの一日→Ⅸ-29) 11
(具体的な内容)
●教育内容の厳選:高度になりがちな内容の削減、上学年や上級学校への内容の移行統合。
●「総合的な学習の時間」の創設:各学校の創意工夫を生かした特色ある教育活動と展開。
●国際化・情報化への対応:「総合的な学習の時間」等において、外国語会話等を行ったり、コンピューターや情報通信ネットワークを活用。
●授業時数の削減:年間授業時数を年間70単位時間(週あたり2単位時間)削減。
 左から;①小学校学習指導要領、②中学校学習指導要領、③高等学校学習指導要領、④幼稚園教育要領、⑤盲・聾・養護学校学習指導要領
12  児童・生徒の実態に基づいて、学年や各教科の目標を達成するために、指導内容をいくつかのまとまり(単元)に組織する。その際には、
①各単元の目標を明確化し、単元の目標達成のために適切な指導内容を精選すること
②学習内容の系統性や発展性を考慮し、学習者にあった単元の配列をすること
③学校や地域の実態、季節や行事等の関連を考慮して配列すること等が必要となる。
Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  ある小学校の「算数」の単元構成表の例である。 13
 「教材」は、「学習者」「教師」とともに授業を構成する大切な要素である。授業で教え学ばれる内容が具体化されたものが「教材」である。教科書は主要な教材であるが、すべてではない。教師が学習者の実態に応じて、選択した文献・資料・実物等が「教材」となる。その「教材」を教師が授業の目標に照らして選択し解釈し、構成する活動を「教材研究」という。教師は授業に臨むにあたり、この「教材研究」を時間をかけて行 っている。  ある小学校の「総合的な学習の時間」の単元構成表の例である。単元のまとまりによって、一年間のカリキュラムの流れを把握することができる。
14  「指導計画」とは学校の教育課程に基づいて作成された具体的な計画のことである。全体的な見通しとしての「指導計画」「単元構成」に基づき、一時間毎の授業の「学習指導案」が作成される。「学習指導案」を作成することによって、教師は、一時間の授業の展開過程の見通しをたて、児童の実態にあわせた指導を行うための準 備を整えていく。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  「学習指導案」には、指導者、日時、対象学級の他、①単元名 ②単元設定の理由 ③単元の目標 ④単元の計画 ⑤本時の目標 ⑥本時の指導過程 等が記載される。②には、教師のこの単元に込める指導観、教材観、児童観等を記載し、⑥は、一時間の授業を導入・展開・まとめ 等の段階に分けて授業の展開過程を 記述する。 15
 「学習指導案」には、教師の教育観や学習指導観など、教師の授業づくりと教材研究の成果の全てが凝集されて記載される。そのため「学習指導案」は、授業の意図や構造が記された設計図であり、授業の事前の計画として作成される。「学習指導要領」は、その後の実際の授業の中で明らかになった計画と実際のズレを次の授業に生かすことによって、教師の力量形成にも役に立 っている。  写真は、実際の中学校1年生社会科(日本史)の学習指導案の例である。
16  「指導要録」は学習指導要領の改訂の度に、その方針にもとづいて表記の形態が変わる。「学籍に関する記録」と「指導に関する記録」からなり、①外部に対する証明原簿、②指導のための資料、という二つの役割を持っている。  
 また、「通知表」(→Ⅶ-19)は、児童の学習状況や成績等を児童本人とその保護者に毎学期末に知らせ、児童の成長の様子を確認してもらい、その後の指導に生かすという役割を持っているものである。日本では、現在の学習評価は、子ども一人一人の進歩の状況をより一層明確にするために、目標に準拠した(絶対評価)を重視する傾向になっ ている。
Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  写真は、ある小学校の「通知表」の例である。「通知表」は、担任の教師によって作成されている。子ども個人の進歩や良い点を積極的に評価し、達成の状況がわかり、子ども自身が目当てを持てるようにするとともに、保護者に子どもの成長の様子をよりよく知ってもらうように記載には配慮をする。 17
 現在、日本では、これまでの知識重視の学習評価の在り方を反省し、一人一人の子どもたちの進歩の状況を明らかにするために、具体的な教育目標を設定し、それについての達成を評価する絶対評価を重視する方向になってきている。
 資料:教育課程審議会「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」(平成12年12月4日)
 児童を対象とした学習評価のために、学習の事前・事後・途中のテストのみでなく、教師は、子どもたちの家庭学習を含めた日常の学習状況を知り、適切な指導を行うために、一人一人のノートの点検を行ったり、プリントや作品の点検を行っている。また、それらをファイルに閉じて保存することによって、一人一人の学習の進歩の状況を把握し、それらを評価に生かしている。
①ノート点検 6年生 2005年11月、②1年生 2005年1月、③ノート点検と個別指導 1年生 2003年12月、④筆記テスト 2003年12月
18  授業の改善のための評価を「授業評価」、カリキュラムの改善のための評価を「カリキュラム評価」と呼ぶ。その評価によって、改善すべきところが改善され、授業やカリキュラムの全体計画の見直しが図られている。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  「カリキュラム評価」は、学校の教育目標の達成を目指して行われたカリキュラムの編成と実施が適切であったかどうかを確め、カリキュラムのよりよい改善が図られるために行われる。学校や地域社会、国等のそれぞれのレベルで評価が行われる。学校でのカリキュラム評価は、具体的には、①学習者の学習評価 ②学校のカリキュラム開発組織の評価 ③地域とカリキュラムのかかわりの評価 ④学校全体のカリキュラムの成果・プロセスの評価 ⑤学校の特性 等の観点から評 価される。 19
 「授業評価」は、授業改善のために行われる評価である。その観点は、授業でねらう目標によってかわるが、主眼は、①授業内容が子どもの発達と状況に適したものだったか ②授業内容が子どもの個人差に応じられる幅があったか ③子どもひとりひとりが精一杯取り組み、満足が得られる内容だったか ④考え方やわからないことを自由に出し合い、深められる場があったか ⑤教材や教具の有効的な活用がなされ ていたか 等である。  写真は、教師たちが仲間の教師の授業を参観しているところである。参観後、その授業の目標・内容・方法について、互いに協議しあう研究会を行っている。こうした研究会は、同じ学校内で行われる「校内研究会」と、外部に開かれた「公開研究会」がある。教師たちは、こうした研究会での勉強を通して、自分の授業の見直しを行い、教師としての資質能力を互いに高めあっている。
①研究授業(道徳) 1年生、2005年3月
②授業の後の検討会
20  学習指導の一般的形態には、①一斉教授 ②グループ学習 ③個別学習、がある。それに加え、最近の日本の小学校・中学校では、個に応じた指導が重視されている。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施 1998年版学習指導要領では、基礎的・基本的な内容の確実な定着と個性を生かす教育の充実がねらいとされている。その実現のために、個別指導やグループ別指導の「少人数指導」、学習内容の習熟度に応じた指導「習熟度別指導」、「ティーム・ティーチング」等が行われている。 21
 学習指導の一般的形態のそれぞれの特徴を表したのが上記である。現在、日本では、授業の内容によって、一斉教授のみならず、グループ別学習や個別学習など、さまざまな学習形態が行われている。その他、教師は、学習者の個別指導や理解度の把握のために、子どもたちの机間を巡回し、学習指導を行う。それを「机間巡視」とい う。(1学級の児童の数→Ⅱ-41)  1998年版学習指導要領では、基礎的・基本的な内容の確実な定着と個性を生かす教育の充実がねらいとされている。その実現のために、個別指導やグループ別指導の「少人数指導」、学習内容の習熟度に応じた指導「習熟度別指導」、「ティーム・ティーチング」等が行われている。
①算数 5年生 2005年1月  ②理科 4年生 2003年12月  ③国語 1年生 2003年12月
④算数 1年生 2003年12月  ⑤外国人児童のための日本語 2005年1月
22  現在、小学校における「各教科」には、「国語」「社会」「算数」「理科」「生活」「音楽」「図画工作」「家庭」「体育」の全9教科がある。その中で、「生活科」は1・2年生のみで行われ、それに続く3年生以上で「理科」「社会科」が行われている。また、「家庭科」は、5・6年生の男子と女子が一緒に学習している。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  写真は、小学校における各教科の授業の様子である。
①国語 1年生 2003年12月
②書写 4年生 2004年7月
③算数 1年生 2003年12月
23
 学習指導要領より目標部分転記
*現行の教育課程では、各教科の学習内容を基礎的・基本的な内容に厳選された。
 写真は、小学校における各教科の授業の様子である。
①理科 4年生 2003年12月
②音楽 6年生 2003年12月
24  写真は、小学校における各教科の授業の様子である。
①体育 2003年12月
②体育 2年生 2004年7月
③図工 3年生 2003年12月
④家庭 5年生 2004年11月
Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  写真は、子どもたちの学習活動の実際例である。
①図書室 2003年12月、②理科 4年生 2003年12月、③理科 6年生 2003年12月、④理科 6年生 2003年12月、⑤理科 6年生 2004年9月、⑥総合的な学習の時間 2年生 2004年6月
25
①②社会(町探検) 3年生 2004年11月
③④生活 2年生 2004年11月
 日本の小学校・中学校では、「道徳」の時間が週1時間ある。その他、学校での各教科や教科外の全ての教育活動を通して、道徳教育が行われている。
「道徳の目標」
1.道徳教育の目標
     学校の教育活動を通じて、道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養う。
2.「道徳」の時間の目標
 1と密接な関連を図りながら、計画的、発展的な指導によってこれを補充し、深化、統合し、道徳的価値の自覚を深め、道徳的実践力を育成する。
26  1・2年生では、低学年においても郷土を愛する心を育てる内容項目として4.(4)が新しく加わり、集団へのかかわりをいっそう主体的にするために4.(2)が新しく加わった。
 3・4年生では、郷土や我が国の文化や伝統を大切にする心を育てるとともにこれからの国際化社会の進展を踏まえて、4.(6)が新しく加わった。
 5・6年生では、集団や社会とのかかわりがより主体的になることを求めて語尾を変えた。
Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  写真は、小学校の道徳の教科書と副読本である。日本では、多くの学校で教科書だけでなく副読本教材も使用している。
①授業の導入で、絵を使う
②プリントに記入させる
③生徒の感想を聞く
④自主教材
⑤副読本
27
 1・2年生では、低学年においても郷土を愛する心を育てる内容項目として、4.(4)が新しく加わり、集団へのかかわりをいっそう主体的にするために、4.(2)が新しく加わった。
 3・4年生では、郷土や我が国の文化や伝統を大切にする心を育てるとともにこれからの国際化社会の進展を踏まえて、4.(6)が新しく加わった。
 5・6年生では、集団や社会とのかかわりがより主体的になることを求めて語尾を変えた。
①授業の導入
②“心の目で見る”
③自分の経験を話す障害者
28  「特別活動」とは、教科外の活動で、学級や学年、学校全体の主として集団活動を通して行われる活動のことである。具体的には、小学校では、A学級活動 B児童会活動 Cクラブ活動 D学校行事 の4つの活動内容から成り立っている。
 *特別活動の目標
 望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図るとともに集団の一員としての自覚を深め、協力してよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てる。
(D.学校行事→Ⅸ-1~15)
Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  写真は、「学級会」の様子である。「学級会」は、例えば学級内でのさまざまな問題について、子どもたちの中から司会者を出して、教師の適切な指導のもとに、学級のみんなで話しあい活動が行われる。
①②学級会(夏休みの過ごし方)6年生 2005年7月、③朝の会 1年生 2003年12月、
④学級会の進め方、⑤学級会の記録(6年生)、⑥学級会の記録(1年生)
29
 「学級活動」とは、学級を単位として、学級や学校の生活の充実と向上を図り、健全な生活態度の育成に資する活動のことである。
 (1)の具体例:学級や学校の生活上の諸問題の解決、学級内の組織づくりや仕事の分担、など。
 (2)の具体例:希望や目標をもって生きる態度の形成、基本的な生活習慣の形成、望ましい人間関係の育成、学校図書館の利用、心身ともに健康で安全な生活態度の形成、学校給食と望ましい食習慣の形成、など。
 写真は、学校図書館の利用の様子と、学校給食の様子である。
①学級の係
②給食当番 1年生 
③栽培係
30  「児童会」とは、学校の全児童で組織される学校全体の子どもたちの会のことである。その運営は、主として高学年(5・6年生)の児童によって行われる。具体的には、「代表委員会活動」「委員会活動」「児童会集会活動」といった活動が行われている。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施 ① ②議事:「あいさつ運動について」
③指導教師の感想
31
 「代表委員会」は、「学級代表」「委員会代表」「運営委員」から構成されている。「代表委員会」では、児童会活動全体の組織・運営や集会活動の計画・実施、学校生活全般について話し合われる。具体的には、年間の活動計画・1年間の反省、スポーツ的な集会活動(マラソン大会・なわとび大会など)、文化的な集会活動(1年生を迎える会、6年生を送る会、運動会)、学校生活の問題(校則の見直し、雨の日の過ごし方、読書週間)、その他(ユニセフ募金、クリーン作戦)等について、話し合いをも っている。 ①「保健委員」が、風邪の予防のため、全校の児童に手洗いを呼びかけるポスターを作成している。2003年12月
②「国旗委員」が、朝の会の前に、国旗を揚げている。2003年12月
③「図書委員」2003年12月
④「新聞委員」が、学校内のお知らせや、行事を取材した結果を学校新聞として作成している。2003年12月
⑤「放送委員」が、お昼休みの時間に、全校にお知らせを放送している。2003年12月
 この他の委員会:給食委員会、体育委員会、保健委員会、栽培委員会、環境委員会等
32  「児童会集会(ようこそ4年生)」の様子である。全校の児童があつまり、4年生が、日頃の学習の成果を発表している。
①作文の朗読
②劇(国語の教科書)
③体育
④音楽
Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  各学校では、さまざまな「クラブ活動」が組織されている。上記は、その一例である。運動系・芸術系・レクリエーション系等、子どもたちのニーズに基づいて、実にさまざまな「クラブ活動」が行われている。 33
 「クラブ活動」とは、主として4年生以上の学年や学級を越えた共通の興味・関心を持った子どもたち同士によって、組織して行われている活動である。現在は、小学校のみで行われている。高学年(5・6年生)をリーダーとして、子どもたち主体の活動となるよう教師は支援を行っている。 ①パソコンクラブ 2004年7月
②料理クラブでぜんざいを作っている 2005年1月
③手芸クラブ 2004年7月
34 ①フラワーアレンジメント 2004年7月
②フラワーアレンジメント 2004年7月
③理科クラブ 2004年7月
④理科クラブ 2004年7月
Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  写真は、体育系の「クラブ活動」の様子である。
①バドミントン 2004年7月
②バスケットボール 2004年7月
③卓球 2004年7月
35
①学期の終わりに、クラブ活動の自己評価を記入している。2004年7月
②来年度から参加する3年生が、クラブ活動を見学している。2005年1月
 「総合的な学習の時間」は、1998年の学習指導要領の改訂によって、小学校・中学校・高等学校で各学校の創意工夫の上に行われている各教科の枠を越えた学習ができる時間である。そのねらいは、以下の通りである。
  (1) 自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
  (2) 学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探求活動に主体的・創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにすること。
  (3) 各教科、道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにすること。
  (1998年小学校学習指導要領総則・2003年一部改正)
36  「総合的な学習の時間」と各教科との関連は、上記の図に示すように、各教科等で身につけた知識・技能を相互に関連づけ総合的に働き、「総合的な学習の時間」で身につけた力を各教科等の学習で生かす、相互環流的な構造を特徴とする。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施 資料:「学校教育に関する意識調査」(2003年9月、文部科学省)
 上記の意識調査の結果に見るように、ふだん体験できないような体験や、子どもたちが自分でとことん学習ができたり、他のクラスの仲間との活動等、教科学習では得られない意識の向上がみられることがわかる。
37
資料:「学校教育に関する意識調査」(2003年9月、文部科学省)
 上記の意識調査の結果に見るように、ふだん体験できないような体験や、子どもたちが自分でとことん学習ができたり、他のクラスの仲間との活動等、教科学習では得られない意識の向上がみられることがわかる。
 写真:「総合的な学習の時間」の活動の様子である。各学校の特色にあわせた創意工夫のもとに、さまざまな活動が行われている。
①学校で保存している水草を植えて、湖のもとの生態系を取り戻す 
②水草を植えている 
③市の職員が、水草の運搬を手伝っている
38  小学校で行われている「クラブ活動」は、全員参加の授業の時間内に行われる必修のクラブ活動であるのに対して、 「部活動」は、中学校以上の学校段階で課外に組織されている選択のクラブ活動である。現在、中学校・高等学校では、ほとんどの学校で「部活動」が行われている。「部活動」は、課外の選択の活動であることから、個性の伸長とともに、教科の学習では学ぶことのできない社会性や集団性を学ぶ ことができる。 Ⅳ 教育課程の編成と実施 Ⅳ 教育課程の編成と実施  体育系の「部活動」の様子である。体育系の「部活動」では、公式戦や学外との対抗試合も数多く行われている。
 練習には、顧問の先生も参加している。
①②剣道 2004年11月
③④軟式テニス 2004年12月
39
 「部活動」は課外のクラブ活動であり、各学校で体育系、文化系とさまざまな部活動が行われている。「部活動」は、学年を越えた生徒の交流を特徴とし、年齢の上の生徒に対する尊敬や下の生徒に対する思いやりなど、年齢の違いを意識した社会性の育成も図られている。  体育系の「部活動」の様子である。体育系の「部活動」では、公式戦や学外との対抗試合も数多く行われている。
 練習には、顧問の先生も参加している。
①②硬式野球 2004年11月
③④バスケットボール 2004年11月
40  写真:文化系の「部活動」の様子である。文化系の「部活動」では、校内や校外での作品展を行ったり、さまざまなコンクールで演奏したり、作品を出品したりするなど、外部の評価も得ながら、子どもたち自身の技能の向上や活動の質を高める工夫がなされている。
①②パソコンクラブ 2004年11月
③④吹奏楽 2004年11月
Ⅳ 教育課程の編成と実施 41
TOP


この教材に関する質問・意見はこちらへどうぞ

kamada@criced.tsukuba.ac.jp

筑波大学教育開発国際協力研究センター(CRICED)
〒305-8572 茨城県つくば市天王台1-1-1