筑波大学教育開発国際協力研究センター Center for Research on International Cooperation in Educational Development

センター長挨拶

概要

筑波大学教育開発国際協力研究センター
センター長

礒田 正美
センター長礒田正美

平成28年4月

  教育開発国際協力研究センター(以下CRICED)は平成14年(2002年)4月1日に国立学校設置法施行規則第20条の3に基づく筑波大学の学内共同研究施設として設立されました。
本センターは、センター長1名、教授1名、准教授1名、事務1名及び技術職員2名で構成され、教員の研究活動分野はそれぞれ「算数数学・科学教育」、「国際教育:ドナーの教育開発援助政策」、「経済を基盤にした包括教育政策」です。第一期中期計画では、CRICEDは本学の伝統である授業研究並びにCRICEDにおいてなしえた国際的な調査研究を基盤に、日本の教育モデルを発信するセンターとして機能しました。特に、教員の質を向上させる自律的な手段として授業研究を先導したことで国際的に高い評価を得ました。その評価を踏まえて、第二期中期計画(2010-2015)では、東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)並びにアジア・太平洋経済協力(APEC)人材養成部門において国際共同開発研究をする国内唯一無二の拠点機能を拡充し、文部科学省との共催事業を実施し、東南アジア・アジア太平洋地域における教育改革を先導する国際中核センターとしての役割を確立しました。そこで実現したネットワーク、得られた成果、そしてその評価は、大学の世界展開力強化事業、AIMS枠、中南米枠を本学が獲得するに際して、高く評価されました。第三期中期計画(2016-2021)では、引き続き文部科学省のもとでAPEC、SEAMEOに係る事業を拡大し、さらにそこでの研究をUNESCO等に拡充し、世界の高質教育モデルを先導する中核センターとして機能するとともに、その成果とネットワークを人間系を含む学内の教育に還元し、学内外組織と世界の関係組織とを結びイノベーションを実現するリエゾン機能を一層充実していきます。

   CRICEDは、筑波大学がSEAMEOの連携機関(Affiliate Member)になる手続きを行い、筑波大学内ではSEAMEO担当組織となっています。SEAMEOは東南アジア諸国連合(アセアン)各国教育省の連合機関であり、加盟国は11カ国です。加盟各国に研究開発部門・研修部門をもつ20センターがあり、各センターは政策提言のためのワークショップと政策実現のための研修を恒常的に実施し、インターンの受け入れなども行っています。CRICEDは授業研究、e-textbook開発法などについて、これらのセンターと共同研究、専門家・研究者交流、国際シンポジウムの開催等を行っており、筑波大学及びCRICEDの同地域での存在は重みを増しています。また、CRICEDは、環太平洋加盟21ヶ国・地域からなるAPECにおいて、算数数学の授業研究プロジェクト(1000万円/年)を2006年から毎年受託し、筑波大学・APEC会議を実施し、21カ国の共同研究を先導する研究機関ネットワークを組織しています。国際セミナーの参加者は毎回200名を超え、そのうち、外国人参加者は約150名で、国際ネットワークを樹立したプロジェクトとなっています。2012年のAPEC教育大臣会合では、そのプロジェクトは筆頭で称賛されました。現在、UNESCO仁川宣言(2015)の中で、高質教育と貧困・包括教育に係る持続発展が求められました。特に、SEAMEOは、英才・障害教育センターをマレーシアに、生涯学習センターをベトナムに新設し、CRICEDを窓口にしたさらなる国際協力を要請しています。CRICEDは、SEAMEO、APECとの地域間協力を相互互恵文脈でその研究機関共同事業ネットワークを確立しています。
  CRICEDは、例年、運営費交付金以上に外部資金を獲得し、外国人研究者受入れ、国内・国際セミナーの開催等を通して、国際的に卓越した教育協力研究を実施しています。