25 “T 日本の学校制度の概要” 前のスライド 次のスライド ENGLISH
T 日本の学校制度の概要
 高等専門学校は、その名称が旧制の専門学校や専修学校の専門課程を指す専門学校と類似しているが、全く別の学校である。日本が高度経済成長過程に入る段階で、「テクニシャン」レベルの技術者要請が産業界から強まり、1967年に設置された。高等学校段階に相当する3年間と短期大学段階に相当する2年間を合わせもつが、5年一貫の技術教育を効率的に実施できる面がある一方で科学技術の高度化、産業界の人材要請の高度化により「中級技術者」に固定化される面があることも否定できない。
 また学校教育法制定以後に加えられた学校種であり、後期中等教育と高等教育の単線型接続の例外的制度となり、設置当初は卒業後に大学への編入学が事実上困難であったことからも単線型学校体系の複線化が危惧された。その後、教育制度の柔軟化、高等教育の多様化が進み、現在では解消されている。
 最初の3年間の教育内容が高等学校に準じたものとして扱われるが、学習指導要領に相当するものがないこと、また高等教育機関として位置づけられるが、その教育組織や管理運営組織が教授会を置かないなど大学と大きく異なっており、後期中等教育と高等教育の性格を合わせもつとともに制度的性格が不明 瞭となっている。

この教材に関する質問・意見はこちらへどうぞ

kamada@criced.tsukuba.ac.jp

筑波大学教育開発国際協力研究センター(CRICED)
〒305-8572 茨城県つくば市天王台1-1-1