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T 日本の学校制度の概要
 日本の学校制度上、高等専門学校がもつ最大の問題点は、戦後の教育改革によって実現した民主的な6−3制単線型学校体系に複線型の要素を持ち込んだことである。後期中等教育に相当する3年間と前期高等教育に相当する2年間の5年間を一貫する教育課程は、単線型学校体系における高等学校と大学、短期大学のそれと対応関係をもつことができず、高等学校卒業者の編入学、また高等専門学校卒業者の大学への編入学を困難にしてきた。つまり6−3−3−4制の単線型学校体系の「外側」に位置する学校として「袋小路」の状況に置かれていた。
 この問題は、産業構造の高度化による高等専門学校卒業者の大学への編入学希望の増大によって深刻化したが、高等専門学校で修得した単位を大学での学修にみなすという大学設置基準の改正により解消されるに至った。つまり学校制度の「複線化」から「教育機会の多様化」「選択の拡大」へと転ずることになったが、このことは逆に高等専門学校の社会的存立 の意義を問うことにもなった。

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