12 “U 日本の教育行財政” 前のスライド 次のスライド ENGLISH
U 日本の教育行財政
 現代福祉国家においては、国による積極的給付的教育行政が要請され、中央教育行政の役割が強化されるとともに、国の教育財政負担も増大する。このことにより、教育行財政制度は多くの側面での改革を求められた。それらの中には、@行政参加制度、A教育計画の導入、B教育研究体制の整備などが含まれる。一方、現代福祉国家は納税額と福祉等の給付とが反比例するという課題を抱えるがこの課題は経済活動の活性化に必ずしもつながらない。80年代の先進諸国の教育を含む社会改革は、規制緩和を特徴とした。これらの国は国の事業を民間委託したり、国営産業を民営化するなど「小さな政府」をめざし、競争原理に基づく経済活動の活性化を図った。規制緩和政策の中での教育行政は、事前規制型の行政から事後チェック型の行政にその役割を転換することが求められており、どのようにして公共性を保持するかが重要な課題となる。限られた教育資源で有効な教育事業を行うために、福祉国家型の教育行政が教育計画を導入したのに対して、規制緩和型の教育行政では、教育計画よりも費用対効果(Value for Money)の最大化のために積極的に民間の活力を導入し、競争的に教育資源を有効活用することが目指された。(『要説教育制度』2003年、学陽書房、p.18 8)

この教材に関する質問・意見はこちらへどうぞ

kamada@criced.tsukuba.ac.jp

筑波大学教育開発国際協力研究センター(CRICED)
〒305-8572 茨城県つくば市天王台1-1-1